ゴールデンウィーク真っ盛り。晴天が続き、全国の行楽地で盛り上がっていることとと思います。こんにちは、コンテンツプロデューサーの佃です。深夜アニメ「おそ松さん」の大ブレイクもあって、ここ最近、こちらも盛り上がっていますが今回は深夜アニメとテレビ視聴率について。
TVドラマ受難の時代
TVドラマの視聴率低下傾向が止まらず、フジテレビ系列の芦田愛菜主演「OUR HOUSE」が4.0%を記録しニュースにもなっています。またTBS系列、漫画原作の「重版出来」は、個人としては内容的にいい出来栄えと思いますが、こちらも7-8%程度でドラマ不遇の時代は続いている状況です。
片や、深夜アニメでは「おそ松さん」がヒットし、予想以上にDVDなどが売れています。
そしてコミックでもブレイクした「坂本ですが?」が、アニメ化されBS-TBSで 4月7日から毎週木曜 深夜2時28分~ MBSでは4月8日から毎週金曜 深夜3時10分~にオンエアれていますが、これが実に面白い。
クールでモテ男の坂本くんが、学園の内外で引き起こす数々のシュールな笑い、アクションにひきつけられる痛快なアニメです。
漫画のように2次元では表現しきれなかった動きや声、音がその豊かな発想力、クリエイティビティを引き立てて、世代を超えて笑え、驚くことができるアニメに仕上がっています。
2016年春アニメ、「坂本ですが」が一番観られていた
アニメ!アニメ!読者アンケート
さらに、学園物の漫画やアニメは得てして、海外では文化が違うことから受けにくいのですが、この「坂本ですが?」については常識を超えていますので、アニメを見た外国人がそのシュールさに「Wow! Sakamato Way!」(坂本流だぜ!)と驚いている様子もYouTubeで拡散されています。
才能の循環が止まっている
2000年台前半までは、ドラマやバラエティなど深夜枠に才能ある若者が集まり、評価されたものがゴールデンに移り、一般に広く知られ視聴率を高めていくという好循環が回っていました。
今は深夜アニメに才能や良作が集まりつつある傾向がみられますが、残念なことにゴールデンに移ることなく、深夜どまりになっており好循環を生み出すに至っていません。
アニメをゴールデンでやってみたら?
ここで極論ですが、ゴールデンで視聴率3-4%のドラマがかなりの確率で出ている現在、深夜枠を勝ち抜いた、視聴者ターゲットが30-50代まで対応可能な作品をゴールデンで放送してみてはというアイデアです。
なにを馬鹿な・・という声が聞こえそうですが、ドラマにかかる新規の時間的・金銭的制作コストと、すでに制作済みのアニメを比較すればどちらがコストパフォーマンスに優れているかは言うまでもありません。
さらに今やテレビ視聴率の“敵”は、他局の番組ではなく、LINEやYouTubeなどのネットに視聴者を奪われていますので、ネットユーザーを取り込めそうな、深夜帯を勝ち抜いたアニメはその強力なツールになります。
ネットのアニメファンからすれば、深夜アニメを応援し反応が良ければゴールデンに進出するサポートができるということで、深夜アニメに対する見方がガラッと変わって来ます。
加えて副音声で英語をつけ、国内の外国人アニメファンや視聴者を増やしつつ、さらにはインバウンドで急増中の海外旅行者に見てもらうアプローチも面白いでしょう。
もうひとつ、海外のコンテンツプロデューサーは、日本でアニメ化されているコンテンツかどうか、日本で受けているアニメかどうかを海外展開での重要な指標にもしていますので、このスキームは新しいマンガ・アニメの海外展開へのファーストステップにもなりえます。
スポンサーは金余りな企業などを狙う
この最大の問題点はスポンサーがつくかどうかです。
しかしながら、今は日銀が金融政策で市中にとめどもなくお金を供給している時代、資金を潤沢に蓄えている企業や団体は数多く存在します。
この新しいフローに興味を示す企業も少なからずあると思いますので、既存のスポンサーのみならず、新規のスポンサー開拓に向けて営業の腕の見せ所、といったところでしょうか。
いままでの方法の繰り返しでは、もはやドラマの視聴率回復が見込めないことは明らかです。
まずは新しいことに挑戦して、反応をみる、結果を受けてどう修正して進めていくかということが大切と感じます。
まとめ
バブル時代の発想で物事をとらえていては、視聴者は今や見向きもしません。
深夜アニメで、これだけ発想豊かな作品が出てきているのですから、TV局もコペルニクス的発想の転換をする時期に来ているのかもしれません。
その時は、坂本くんのように周りをあっと驚かせることができるはず?